【注文住宅の流れ】建設期間は約1年!予算決めから全7ステップで流れを徹底解説
注文住宅は「検討」から「家の完成」まで、それなりの期間がかかり、流れも複雑です。それゆえに、注文住宅が完成するまでに、大きなストレスがかかります。
注文住宅が完成するまでの「ステップ」と「期間」を知ることで、ストレスなく住宅の検討を続けることができます。
注文住宅が完成するまでの全体の流れと期間
期間に個人差はありますが、注文住宅を検討してから竣工・引渡しまでには9ヶ月~14か月が一般的です。
全体の流れ
期間 | やること |
1か月目 | ・予算検討 ・理想の家のイメージ作り |
2か月目 | ・ハウスメーカー選び ・土地探し |
3か月目 | ・間取りの概要決定 ・見積もりの概算決定 |
4か月目 | ・工事請負契約 |
5か月目 | ・プランの決定 ・詳細の決定 |
6か月目 | |
7か月目 | |
8か月目 | ・工事 ・家具の購入 ・引っ越し準備 |
9か月目 | |
10か月目 | |
11か月目 | |
12か月目 | |
13か月目 | |
14か月目 | ・竣工 ・引き渡し |
もちろん期間は前後しますが、入園・入学・転勤・転職などと合わせて、新生活をスタートさせたい希望時期の1年半前から動き出すと良いでしょう。
【STEP1】予算検討とイメージづくり
注文住宅の平均建設費用は、「3,570万円」です。
「自己資金(頭金)」と「住宅ローン」を出して、「予算」を把握しましょう!予算を出すのは少し恥ずかしさもありますが、最初のハードルです。頑張りましょう。予算が明確であれば、明確なだけ、今後のステップがスムーズに進みます。
また、住宅イメージは「できるかできないか」ではなく、「欲しいか欲しくないか」という意識でとにかくアイディアを出していきましょう!例えば
- 外観:イタリア風の2階建ての家が良い。
- 間取り:キッチンから部屋全体が見え、子供部屋は2室欲しい
- こだわりポイント:キッチンは広く、吹き抜けが絶対ほしい
【STEP2】土地探し・ハウスメーカー選び
土地とハウスメーカーどちらから決めたらよいの?
絶対にここに住みたい!という希望はない場合、実は、「ハウスメーカー選び」をしてから「土地探し」を実施することがおすすめです。近年では、土地探しを手伝ってくれるメーカーも多く、一般的な土地と比べて安い傾向がある「建築条件付き土地※」も紹介してくれる可能性があるからです。(※家を建てる場合、決められたハウスメーカーに依頼して家を建てる必要がある土地のこと)
ハウスメーカーの情報は、「カタログ」と「無料相談所」と「住宅展示場」で知ることができます。
カタログ | 無料相談所 | 住宅展示場 | |
情報量 | △ | 〇 | ◎ |
手軽さ | ◎ | 〇 | △ |
カタログは3分で埋められる入力フォームを埋めれば、10社以上の冊子を簡単に受け取ることができます。しかし、百聞は一見に如かず。最終的には、紙ではなく、実際に足を運んで住宅展示場に見に行く必要があります。一方、住宅展示場は得られる情報量は多いですが、1日で見学できるのは多くて3社です。
カタログで5社程度、目星をつけてから、住宅展示場や無料相談所に行き、効率よくハウスメーカーを次のステップに進めるハウスメーカーを3社程度選びましょう!
【STEP3】間取りプラン・見積もり提示と比較
この工程では、厳選したハウスメーカーに、あなたの要望を伝えて「外観・間取り・費用」を出してもらいます。複数社に間取りプランや見積もりを出してもらうことで、必要以上の費用を請求されていないかどうか判断することができますので、最低でも2社には依頼しましょう。
また、ここで見積もりの前提となっていることは、文字で「メール」に必ず残しておきましょう。例えば、
- 「照明は自分で準備するので、費用から抜いてもらっていること」
- 「キッチンの高さは無料で調整してもらうこと」
などです。トラブルにまきこまれないためにも細かくメールで、営業担当者に「OOということでよいですよね?」と質問し「はい。」と返事をもらい、残しましょう。
【STEP4】工事請負契約
1社と工事請負契約(本契約)を締結します。工事請負契約は、「ハウスメーカーは工事を完成させること」を約束し、「あなたは完成に対しての報酬を支払うこと」を約束するものです。キャンセルポリシーやいつまでに手付金を払う必要があるのか等、確実にしておきましょう。
この契約を締結すると、値切り交渉が一切できません。
むしろ、この契約を締結した後からは、家を建てない場合でもキャンセル料金がかかります。万が一、「一旦契約してから、あとで細かいことを決めましょう」などと言うハウスメーカーがあれば絶対にやめましょう。このSTEPで、間取りや施設のグレードを具体的に決めれば決めるほど、STEP5で費用を上乗せされなくなります。
【STEP5】詳細打合せ・プランの決定
工事請負契約(本契約)の締結後、ハウスメーカーと最終的なデザイン・間取り・費用を決めます。
- 間取りの詳細
- 住宅設備・建材・建具・内装・外観などの決定
- 着工日・地鎮祭などの日取り
- 住宅ローン本審査などの確認
もしここで、本契約時から変更する点があった場合、「変更契約」という契約を締結することで変更となります。すべてのことでハウスメーカーと合意した後、建てる家が建築基準法などに適合しているかどうかを申請を出します。申請が通り次第、着工します。
【STEP6】着工
工事が始まる1週間くらい前には、重機の通過や騒音の発生に配慮して、近隣に挨拶に行きましょう。タオルや洗剤などを持参して、ご挨拶とお詫びの気持ちを伝えることで、今後を含めたお付き合いを円滑にスタートすることができます。着工してから、「家具」や「引っ越し」「火災保険」を準備するのがオススメです。
明らかな手抜き工事していないかどうかや、いつから家具は入れられるのかを確認するために、工事の状況を確認することも大切です。
工事の進捗が遅れれば、引き渡し・入居が遅れ、完成していない家に冷蔵庫とベッドが到着するなんて最悪の事態にもなりかねませんので、注意しましょう。
【STEP7】竣工・引き渡し
竣工して建物が完成したら、下記流れで引き渡しが実施されます。
- 図面どおりに問題なく家が建てられているかを確認
- 自治体への建築確認申請に基づく「完了検査」を受ける
- ハウスメーカーからあなたへ住宅を引き渡し
①図面と住宅を確認
出来立てほやほやの家に入り、あなたとハウスメーカーで傷や汚れ・扉の動きがスムーズでない等確認を行います。
気になる場所があれば必ず伝えましょう。気になる箇所について、「3.引き渡し後」に指摘した場合、追加の工事費用が発生する可能性があります。
②完了検査を受ける
住宅確認で問題がなければ、自治体の検査を受けます。
③引き渡し
自治体の検査で問題がなければ、住宅がハウスメーカーからあなたのものになります。これをもって、金融機関から住宅ローンが実行されて建築代金を支払い、建物があなたの名義で登記され、鍵や保証書等を受け取ります。
注文住宅にかかるお金と住宅ローンの流れ
注文住宅の場合は、「一括払い」と「分割払い」の2パターンあります。ここでは建築費を3~4回に分割して支払う場合についてご紹介します。
No | 支払いタイミング | 支払い | 利用するローン | |
1 | 土地売買契約締結時 | 手付金 | 土地費用の約10% ※土地なしの場合 |
― |
2 | 工事請負契約時 | 手付金 | 建築費用の約10% ※最高10% |
― |
3 | 着工時 | 中間金 | 建築費用の約30% | つなぎ融資 |
4 | 上棟時(建物の骨組みが完成した時) | 建築費用の約30% | ||
5 | 竣工時 | 残金 | 建築費用の残金 土地費用の残金 |
住宅ローン |
新築の場合、「住宅ローン」と「つなぎ融資」を利用する人が多いです。「住宅ローン」は、家と土地が正式にあなたに引き渡しされた後に、融資されます。
つまり、「手付金」と「中間金」は、「住宅ローン」と別で用意する必要があります。そこで利用されるのが「つなぎ融資」です。
信用力の高いハウスメーカー・工務店でないと「つなぎ融資」を利用できないので、「つなぎ融資」の実績があるかどうかをハウスメーカーには聞いておきましょう。一方、建設費用の約7割をあらかじめ用意できる方は「住宅ローン」のみ考えておけば問題ありません。
住宅ローンの組み方
住宅ローンを受けるためには、「事前審査(仮審査)」と「本審査」に通る必要があります。
事前審査(仮審査) | 本審査 | |
詳細 | 年収や勤続年数などをもとに、融資の審査されます。建築会社や間取りなどは「仮決め」の状態で審査します。 | 新築工事を依頼するハウスメーカー・工務店と建築請負契約を締結後、詳細設計プランがはっきりと決まり、建築基準法などに適合している申請が通っている状態で審査します。 |
必要な書類 | 「年収」や「勤続年数」を証明できるもの等 | 「工事請負契約」や「建築確認済証」の写し等 |
ローンを組む際に必要な書類は、「借金があるorない」や「会社員or経営者」等で変わってくるので、無料相談所などで専門アドバイザーを通じてもれなく書類を作成することがオススメです。
住宅の総費用の内訳
注文住宅の費用は、下記3つの合計で算出されます。
- 建物工事費
- 付帯工事費
- その他諸費
2,000万円の住宅を基に費用の内訳を確認していきます。
建物工事費とは
基礎や屋根などの家全体の「箱」を作る工事費用のことです。全体の費用の約7~8割(1,400~1600万円)を占めます。
付帯工事費とは
公共インフラとの接続や車・敷地内の土台インフラを整える費用のことです。他には、敷地内に電気や給排水の配線・配管を引き込む工事や、駐車場のアスファルト舗装の工事などに利用され、全体の費用の約1~2割(200~400万円)を占めます。
その他諸経費とは
住宅ローンの手数料や、火災・地震保険、建物を登記等に利用する費用のことです。全体の費用の約0.5~1割(100~200万円)を占めます。
注文住宅で失敗しないための7つの注意点
注文住宅を建てる過程は、自分だけの理想的な住まいを実現するためのものであり、一生に一度の大きな決断となります。その道のりで注意すべき点をご紹介します。
ハウスメーカーを妥協しないこと
質の高い住宅求めるなら、ハウスメーカーの実績、信頼性、そしてあなたの要望を適切に実現できるかどうかを慎重に評価することが重要です。
総費用の見積もりを出してもらうこと
建設費だけでなく、付帯工事費や諸費用などを含めた全体の見積もりを取ることで、あなたが希望する家が予算内で実現可能かをしっかりと把握することができます。また、見積もりに含まれていないものがあれば、後のステップで追加費用があることを見越して予算を計画するのに役立ちます。
土地に改良工事がいるかどうかを確認してもらうこと
地盤が弱い場合や、水はけが悪い場合など、土地に改良工事が必要な場合があります。事前にハウスメーカーか専門家に土地調査を依頼し、必要な改良工事やその費用を把握しましょう。
本契約前に、「間取りはほぼ確定」「設備のグレードは確定」させること
契約前に間取りや設備のレベルを確定することで、予算オーバーや後からの変更による手間を避けることができます。また、これにより、建築工事がスムーズに進行し、予定通りの完成する可能性が高くなります。
「着工日」「工事完了日」「引き渡し日」を必ず決めること
着工日・完成日・引き渡し日を決めましょう。家具・引っ越し・火災保険の手配がスムーズに行えるようになります。
引き渡しが遅れた場合の違約金について明確にしておく
ハウスメーカーが約束した期日までに引き渡しを行わなかった場合の違約金についての条項を含めましょう。引き渡しが遅れた場合でも、家具の再配達や火災保険の過払いを防ぐことができます。
スケジュールには余裕をもっておくこと
台風などの天候不良や、材料の輸入遅延などの事態に備えて余裕をもったスケジュールを立てましょう。引き渡し日をいくら設定しているとしても、台風が来れば引き渡し日を先延ばしにせざる得ません。不自由のない新生活が開始できるようになるまでに、引き渡し日から1週間程度かかることを想定しておきましょう。
注文住宅購入に必要な書類
注文住宅の建築プランを計画する際、土地を所有している場合は測量図があると便利です。
そのほか、住宅ローンの審査や契約時には多くの書類が必要です。主に必要となる書類は以下のとおりです。
- 本人確認書類
- 所得証明書
- 間取り図
- 見積書
- 印鑑証明
- 住民票
- 返済予定表
- 残高証明書(他の借り入れがある場合のみ)
- 測量図
情報収集でも大変なのに、書類もたくさん準備するものがあり、正直言ってかなり時間を費やすことになります。書類の準備をスムーズに行いたい方は無料相談所を利用することをオススメです。どこで何をしたらもらえる書類が必要なのかを教えてもらえます。
注文住宅と建売住宅の購入の流れの違い
実は、注文住宅と建売住宅で「入居までに行わないといけないこと」と「入居までの期間」に大きな差があります。
注文住宅 | 建売住宅 | |
入居までに行わないといけないこと | ・住宅ローン工面 ・家具探し ・引っ越し ・間取り作成 ・デザイン作成 ・ハウスメーカー選び ・土地探し ・自治体による住宅検査 |
・住宅ローン工面 ・家具探し ・引っ越し ・住宅探し |
入居までの期間 | 約1年半 | 約1ヶ月半 |
入居までの手間がかかる注文住宅ですが、あなたの理想通りにカスタマイズ可能です。一生に一度の住宅でこだわりをしっかり反映させ、自己表現をしたい!という方にオススメです。
注文住宅の流れまとめ
注文住宅を建設する7つのステップをご紹介しました。
- 予算検討とイメージづくり
- 土地探し・ハウスメーカー選び
- 間取りプラン・見積もり提示と比較
- 工事請負契約
- 詳細打合せ・プランの決定
- 着工
- 竣工・引き渡し
入園・入学・転勤・転職などと合わせて、新しい住宅で新生活をスタートさせたい方は1年半前から予算検討やイメージ作りを開始すると良いでしょう!
ただ、その自由度の高さから注文住宅は施工主ごとに準備すべきものが異なります。
何から始めたらよいのか具体的に知りたい人は、下記記事をご覧ください。