注文住宅の相見積りは「3社」に依頼!全5ステップの流れもご紹介
注文住宅を建てる際、最も頭を悩ます問題の一つが「コスト」です。
本記事では、「注文住宅の相見積もり」について、その重要性、効果的な進め方、そして注意点を詳しく解説します。注文住宅を成功させ、理想の生活を手に入れるための一助に、ぜひ本記事をご活用ください。
注文住宅で相見積りは何社からとる?
3社で相見積もりを取ってください。
ここでいう3社とは、展示場やカタログを見て気に入ったレベルではなく、「費用次第では契約をしたい」と考えているハウスメーカーです。
注文住宅の相見積もりの取り方
4ステップで相見積もりから、ハウスメーカーの選定を行います。
手順①|3社に詳しい見積もりを依頼
まずは最低でも3社以上の建築会社に詳細な見積もりを依頼します。
見積もりを出してもらう際には、あなたの家づくりの希望や要望が固まっていて、しっかりと伝えられる準備が整っていることが前提です。
画像や動画を駆使して、あなたの希望と要望をハウスメーカーに伝えましょう
手順②|見積もりが届いたら、不自然な金額の項目がないかを確認
見積もりが届いたら、他の会社と比較して、100万円以上の金額差がある項目等がないか確認しましょう。
他社と比較し、費用の差が大きい項目があれば追ってハウスメーカーに確認し、値引きしてもらえる可能性があります。
予想外のコストが見積もりに含まれていないか、または適正な価格であるかを見極めます。
手順③|打ち合わせで、質問や要望を相談
各建築会社と実際に打ち合わせをし、見積もりに関する質問や家づくりに関する要望を伝えます。
見積もりの内容は専門的な知識が含まれているので、営業マンがすぐに答えられない場合もあります。
その場で答えられないようであれば、「最大1週間くらいで回答してください」と伝え、メールなどで回答をもらうようにしましょう。これで連絡がないようであれば営業担当を変えてもらうことがオススメです。
手順④|疑問を解消
打ち合わせを通じて出てきた疑問点を解消します。見積もりの詳細な内訳や建築会社の提案について、理解できない部分や納得がいかない部分は、納得いくまで質問しましょう。
手順⑤|値引き交渉
最後に、見積もりの金額について値引き交渉を行います。建築会社によっては交渉に応じてくれることもありますので、遠慮せずに要望を伝えましょう。
相見積もりで見るべき箇所
「金額」「図面」「仕様」の3点を重点的に確認しましょう。
確認すべき箇所 | 概要 |
金額 | 「一式」という表記で建設費用の合計金額が記載されていないか確認しましょう。項目ごとに細かく明細を出してくるハウスメーカーもあります。また、「契約後に詳細を詰めて行きますが、そんなに金額は変わらないですよ」等と言われるかもしれませんが、後々問題が生じる可能性があります。 |
図面 | 広い視点でこの図面で本当によいのか確認しましょう。自分の家だけを見ているといい家に見えても、周りの住宅との距離などを踏まえると練り直した方が良い可能性も考えられます。例えば、東向きにたくさん窓を設置しているのに、東側の住宅との隙間は1mしかない。等、実は図面を変えた方が良いという可能性があります。 |
仕様 | 前提となっている設備がどのグレードのものなのか確認しましょう。例えば、他社と比較しキッチンの費用が安いと思ったら、数年前の2019年モデルで計算されていた。等、仕様の差によって金額差が出ている可能性があります。 |
住宅の総費用の内訳
注文住宅の費用は、下記3つの合計で算出されます。
- 建物工事費
- 付帯工事費
- その他諸費
2,000万円の住宅を基に費用の内訳を確認していきます。
建物工事費とは
基礎や屋根などの家全体の「箱」を作る工事費用のことです。全体の費用の約7~8割(1,400~1600万円)を占めます。
付帯工事費とは
公共インフラとの接続や車・敷地内の土台インフラを整える費用のことです。他には、敷地内に電気や給排水の配線・配管を引き込む工事や、駐車場のアスファルト舗装の工事などに利用され、全体の費用の約1~2割(200~400万円)を占めます。
その他諸経費とは
住宅ローンの手数料や、火災・地震保険、建物を登記等に利用する費用のことです。全体の費用の約0.5~1割(100~200万円)を占めます。
相見積もりを取るときの注意点
相見積もりを取る際には、その手法やルールについてしっかりと理解しておくことが重要です。それぞれのポイントについて詳しく解説しますので、あなたが安心して最適な建築会社を選べるようにご参照ください。
他社の見積もりは最後まで見せないこと
まず、他社の見積もりをすぐに見せるのは避けましょう。他社の見積もりを見せると、
本当は50万円下げれるけど、10万円下げれば十分じゃん。
と、本来受けられた割引を逃す可能性があります。
一方で、「あと10万円下げてくれたら第一希望のハウスメーカーに依頼できる!」というような状況であれば、他社の見積もりを見せて、「ここの費用をこのB社と一緒にしてくれませんか?そしたら依頼します!」といったような交渉が可能となります。
金額にとらわれすぎないこと
次に、建築費用の金額だけに目を向けるのは避け、総合的な視点から選ぶことが大切です。
安価な見積もりが出てきても、その中身が自分の希望を満たしていなければ意味がありません。
また、予算以上の価格設定でも、その中にはあなたの理想とする住まいを実現するための価値が含まれているかもしれません。
土地の敷地調査も行っておくこと
土地の敷地調査も見積もりを取る上で非常に重要です。
地盤の状況や周囲の環境など、建築地の特性によっては建築費用が大幅に変動することもあります。
そのため、具体的なプランを考える前に、敷地の特性を把握しておくことが必要です。
見積もりの内容を揃えること
そして最後に、見積もりを取る際は、各社からの見積もり内容が同じ条件に基づいていないことを確認しましょう。
会社ごとに同じ項目名でも含まれている費用が異なるということはよくあることです。
ある程度見積もりに含まれている費用が異なるということを前提に、各社の見積もりを公平に比較し、より適切な評価を行いましょう。
相見積もりを依頼する会社を絞る際のポイント
注文住宅の相見積もりを取るときには、どのような会社に依頼するかが重要なポイントになります。最適な選択をするために、以下の観点から見積もりを依頼する会社を選んでみましょう。
実績ある大手のハウスメーカー同士で相見積もりを取る
費用に余裕がある場合は、大手ハウスメーカー3社にに相見積もりをとることもオススメです。
それぞれの会社の建築実績や提案力、さらにはアフターサービスの内容などを比較することで、あなたに最も適した会社を見つける手助けとなります。
特徴の異なる工務店・ハウスメーカーで相見積もりを取る
癖のある住宅を建てたい!という方は、工務店とハウスメーカー両方に見積もりを依頼すると良いでしょう。
大手ハウスメーカーは一定の品質と信頼性を提供するため、比較の一環として取り入れておくと良いでしょう。工務店はハウスメーカーよりも技術力や地元とのネットワークがあるので、同じ予算で少し変わった設計ですることが可能です。それぞれの会社の強みや特性を理解し、自分の求める住宅を最も実現できそうな会社を見つけることができます。
工務店・ローコストハウスメーカー・大手ハウスメーカーなど異なるジャンルで相見積もりを取る
理想の家が決まり切っている方にオススメの相見積もり依頼方法です。
また、異なるジャンルの会社同士の見積もりも取ってみましょう。これにより、同じ条件下でもさまざまな価格帯やサービス内容があることを確認することができます。
希望の工法を行っている建築会社で相見積もりを取る
耐震性能など、住宅の機能面で決まっていることがある方にオススメの相見積もり依頼方法です。
最後に、希望の工法を行っている会社同士の比較も大切です。木造、鉄骨造、RC造など、自分の希望する工法に特化した会社を見つけて比較することで、最も適した建築会社を見つけることができます。
見積もりを依頼する際、どんな伝え方をするといい?
新築の見積もりを複数の会社に依頼する際、どのように伝えればよいのか迷う方も多いでしょう。以下に、主な3つのポイントを取り上げ、それぞれの伝え方について考えてみましょう。
希望、要望について
設備や間取り、建材、デザインなどで具体的な要望があれば、インターネット画像・カタログ・雑誌の切り抜きなどを見せて伝えましょう。言葉ではなく、絵で伝えることがお互い認識に差が出ないので、おすすめです。
予算について
隠すことなく、現実的な予算を明確に伝えましょう。各社は、この予算内で最大限の価値を提供するように提案を行ってくれます。多めの予算を伝えることは誰にとっても良いことはありませんので、絶対にやめましょう。
意気込みについて
「既に、2~3社に絞り込んで見積もりを依頼していて、この中から1社に決めようと思っています。」と素直に状況を伝えましょう。「とりあえず見積もりがほしくて。。。」など、あいまいに表現しないようにしましょう。
見積もり金額が予算オーバーした際の対処法
住宅を建築する際には、予算に合わせた計画が必要です。しかし、見積もりが出てきたとき、金額が予算をオーバーしていることも少なくありません。そんな時にはどう対応すれば良いのでしょうか。
優先順位が低い項目を見直す
優先度の低い項目を見直すことで、見積もりの総額を抑えることが可能です。
例えば、壁紙等は最初から全ての部屋で好きなものに仕上げるのではなく、一部の部屋は後から追加するという選択肢もあります。
素材のグレードを見直す
建材や設備のグレードを見直すことも、予算を抑える有効な手段です。
もちろん、安価な素材でも品質が良いものを選ぶことが大切ですし、最近では安価でも充分性能の高い素材はあります。
外構工事などは専門業者にも見積もり依頼してみる
外構工事は、専門業者に依頼した方が安価になることもあります。
複数の業者に見積もりを依頼し、比較しましょう。
他社よりも価格が高い項目について相談する
他社の見積もりと比較して、価格が高い項目がある場合、それについてハウスメーカーや工務店に相談してみましょう。
見積もりを見直して、割引をしてくれる可能性もあります。
相見積もりをすべき理由(メリット)
相見積もりを実施すべき理由は3つあります。
値引きが期待できる
理由もなく、「とにかく安くしてください!」というのは失礼です。「他のハウスメーカーでは、OO円なのですが、御社もくれくらいの費用になりませんか?」と営業の方が社内に説明しやすいような情報を集めましょう。
もちろん営業マンの腕もありますが、値引きをしてもらうためにも相見積を取りましょう。
1社だけでは様々なリスクがある
複数社に見積もりをお願いすることでいろいろなリスクを考慮することができます。例えば、
- 敷地の前の道が狭く、クレーン車を停車できない
- 建築するときに3階建てにすると、電線と干渉する
- 引き込んでいる水道管が劣化していて交換が必要
- 実は、隣に高層マンションが建設予定で、日光がほぼ入らなくなる
- 実は購入した土地に地下水があり、排水するための設備を作らないと地盤沈下のリスクがある
- 私道を掘り起こして、水道を引き込む必要がある
といったように、住宅の建設中に様々な追加費用が発生するリスクが存在します。これらのことを複数社に相見積もりを依頼することで、複数の視点から確認し、事前に知ることができます。リスクをできるだけ考慮したうえで、住宅建設を行いましょう。
ハウスメーカーごとの特徴がよりわかる
相見積もりを通じて、
- ハウスメーカーAは、本体価格に関する値引きはしてくれないけど、キッチンなどの値引きをしてくれる
- ハウスメーカーBは、キッチンなどの割引はしてくれないけど、本体価格は値引きしてくれる
など、どこにこだわりがあるハウスメーカーなのかが分かります。これも考慮し、最終的にどのハウスメーカーに依頼するか決めることがオススメです。
注文住宅の相見積もりのデメリット
時間がかかる
今まで自分たちのペースで進められてきたのに、ハウスメーカーの見積もりを待たないと行けなくてストレス。。。
注文住宅の相見積もりは、細かい設計内容を比較するため、多くの時間を必要とします。しかし、理想の家を実現するためには不可欠なステップですので、必ず行いましょう。
最終的に断るのが大変
わがままを言って見積もりを出してもらったのに、最終的に断ることになってしまって心苦しい。
こちらの要望を通してもらえるともらえただけ、後で断りにくくなります。しかし、あなたの理想の住宅を建てるために、条件を比較して、素直にお断りすることが大切です。
相見積もりに関するQ&A
注文住宅を建てる際には、相見積もりが重要なステップの一つとなります。よくある疑問とその答えをQ&A形式で解説します。
相見積もりするタイミングはいつ?
注文住宅の相見積もりは、「あなたの理想とする住宅の条件が固まった後」が最適なタイミングです。条件が決まる前に細かい相見積もりを取ってしまうと、最終的に大きく変更し、見積もりに記載されている金額と実際支払う額が大きく異なる可能性があります。
見積もり作成の期間は何日かかる?
見積もり作成の期間を明言している会社はありませんが、一般的に1~3週間程度です。設計内容やハウスメーカー、工務店によって異なります。長い期間がかかる場合でも、間違いのない適切な見積もりを出してもらいましょう。
ハウスメーカーや工務店に他社の見積もり書を見せるのはOK?
他社の見積もりを、価格交渉をする場合を除いて、見せることは避けましょう。他社の見積もりと比較し、高すぎる項目に対して価格交渉の材料とする際は積極的に利用しましょう。
注文住宅の相見積もりまとめ
あなたの「理想」と「見積もりの内容」が大きく外れていなかった場合、その見積もりを出したハウスメーカーと打ち合わせて、さらに細かな内容を決めていきましょう!
相見積もりでハウスメーカーが決まれば、夢のマイホームまで、あと一歩です。
ハウスメーカーの他に、相見積もりを無料で行ってくれるサービスもありますので、一旦見積もりを出してほしいという方は、下記記事をご覧ください。
「間取り」について、より知りたい方は下記記事をご覧ください。