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すけさん

現役大手不動産会社 経営企画職

すけさん

■宅地建物取引士・FP2級
■住まいの窓口/おうちキャンバスへの独自取材・相談経験あり
■スーモカウンター/家づくりのとびらへの相談経験あり

執筆者

「住宅ローンは変動金利が圧倒的に安いらしいけど…本当に大丈夫?」「ネットで『変動金利はやばい』『やめとけ』って見るし、金利が上がったらどうしよう…」マイホームという人生最大の買い物だからこそ、住宅ローンの金利タイプ選びで手が止まっていませんか?

その不安な気持ち、痛いほどよく分かります。そして、その慎重な姿勢は、数千万円の買い物で失敗しないために非常に重要です。ネットの楽観的な情報や、1社の営業マンの「みんな変動金利ですよ」という言葉を鵜呑みにしてしまうと、将来、金利が上昇した時に「こんなはずじゃなかった…」と取り返しのつかない事態に陥る可能性があります。

ご安心ください。この記事では、宅建士・FPの資格を持つプロの視点から、なぜ変動金利が「やばい」と言われるのか、その5つの具体的な理由と、それでも7割以上の人が選ぶカラクリを徹底解説します。さらに、あなたが変動金利を選んでも後悔しないための具体的な「自己防衛策」まで、分かりやすくお伝えします。

目次

住宅ローンの変動金利が「やばい・やめとけ」と言われる5つの理由

変動金利が「やばい」と言われるのは、将来の金利上昇リスクが予測不可能で、あなたの家計に直接的な打撃を与える5つの「隠れたワナ」があるからです。

理由① 金利がいつ・どれだけ上がるか誰にも予測できない

変動金利の最大のリスクは、その「不確実性」にあります。将来、金利がいつ、どれくらい上昇するのかは、日銀の総裁ですら断言できません。

「これまでずっと低金利だったから大丈夫」という声も聞きますが、それは過去の話。未来も同じとは限りません。世界情勢や日本の経済政策の転換一つで、金利は大きく変動する可能性を常に秘めています。

理由② 5年ルールで毎月の返済額はすぐには変わらない(罠がある)

多くの変動金利には、金利が上昇しても5年間は毎月の返済額が変わらない「5年ルール」という仕組みがあります。一見、家計に優しそうに見えますが、これが実は大きな罠です。

仮に金利が急上昇しても、あなたの毎月の支払額は変わりません。しかし、その返済額の内訳が変化し、「利息ばかりを払って元金がほとんど減らない」という恐ろしい事態が発生します。これはリスクをただ先送りしているに過ぎません。

理由③ 125%ルールを超えると「未払利息」が発生する

さらに、「125%ルール」という仕組みも存在します。これは、5年後に返済額が見直される際、それまでの返済額の1.25倍(125%)が上限になるというものです。

もし金利がそれを超えるほど急激に上昇した場合、毎月の返済額では利息すら払いきれない「未払利息」が発生します。この未払利息は、あなたの借金が減らないどころか、最終的に数百万円単位の追加負担に繋がる最悪のシナリオです。

理由④ 返済額の見直しで家計が急に圧迫される

5年ルールと125%ルールによって先送りされたリスクは、6年目の返済額見直し時に一気に家計を襲います。

例えば、毎月10万円だった返済額が、上限である12.5万円に跳ね上がる可能性があります。このタイミングが、子どもの教育費が最もかかる時期や、収入が伸び悩む時期と重なってしまったら…?想像するだけで恐ろしいですよね。

理由⑤ 団信(団体信用生命保険)の保障額が減りにくい

あまり知られていませんが、金利上昇は団信のメリットも薄れさせます。団信は、契約者に万が一のことがあった際に住宅ローン残高がゼロになる保険です。

金利が上昇すると、前述の通り元金の減りが遅くなります。つまり、同じ期間返済していても、固定金利に比べてローン残高が多く残ってしまうのです。これは、万が一の際の保障額がなかなか減らないことを意味し、団信の恩恵を最大限に受けられない可能性があります。

なぜ7割以上の人が変動金利を選ぶのか?そのカラクリとは

これほどのリスクがあるにも関わらず、なぜ7割以上の人が変動金利を選ぶのでしょうか。その理由は、単純に「現在の金利が圧倒的に低い」ことと、金融機関側の「営業戦略」が大きく影響しています。

住宅ローンを扱う銀行や営業マンは、決してあなたの家計の将来を100%保証してはくれません。彼らの言葉を鵜呑みにせず、常に「自己防衛」の視点を持つことが重要です。

とにかく現在の金利が低く、毎月の返済額を抑えられるから

最大の理由は、やはり目先の返済額の安さです。固定金利に比べて変動金利は圧倒的に低く設定されているため、毎月の支払いを大幅に抑えることができます。

  • 変動金利(0.3%台):月々10万円
  • 固定金利(1.8%台):月々12万円

例えば上記のようなケースだと、月2万円、年間24万円もの差が出ます。多くの人が、将来の不確実なリスクよりも、現在の確実なメリットを優先してしまうのは、ある意味自然なことです。

銀行側が変動金利を積極的に勧めてくるから

あなたが住宅ローンの相談に行くと、多くの場合、銀行の担当者は変動金利を勧めてくるはずです。なぜなら、銀行にとって変動金利は「儲けやすく、リスクが低い」商品だからです。

金利上昇のリスクを銀行が負う「固定金利」と違い、「変動金利」は金利上昇リスクをすべて顧客(あなた)が負う仕組みです。銀行にとっては、金利が上がれば儲けが増えるため、積極的に勧めてくるというカラクリがあります。

過去20年以上、結果的に金利が上がらなかったから

日本の超低金利時代は長く続き、過去20年以上にわたって変動金利を選んだ人が結果的に得をしてきた、という事実があります。

この「過去の実績」が、「今まで大丈夫だったから、これからも大丈夫だろう」という正常性バイアス(自分にとって都合の悪い情報を無視してしまう心理)を生み出しています。しかし、専門家の間では、今後の金融政策の転換による金利上昇はほぼ確実視されており、過去の常識が通用しなくなる可能性が非常に高いと指摘されています。

【プロが教える】変動金利を選んでも後悔しないための自己防衛策

変動金利のリスクを正しく理解し、金利上昇に備えた「具体的な対策」を事前に講じておくことが、後悔しないための唯一の方法です。ただ怖がるのではなく、賢く付き合う準備をしましょう。

不安な妻

金利が上がったらどうしようって、漠然と不安で…。

FP

その不安、正しいですよ!だからこそ、今から「上がっても大丈夫」な具体的な対策を立てておくんです。プロが実践している4つの自己防衛策をお伝えしますね。

対策① 金利が1%〜2%上昇しても耐えられる資金計画を立てる

これは鉄則中の鉄則です。銀行が提示する「借りられる額」と、あなたが「無理なく返せる額」は全く違います。

必ず、現在の金利ではなく、金利が1%〜2%上昇した場合の返済額をシミュレーションし、それでも家計が破綻しないかを確認してください。そして、現在の低い金利のうちに、上昇した場合の差額分を毎月貯蓄に回す「つもり貯金」を習慣化することが極めて重要です。

対策② 「繰り上げ返済」を積極的に活用する

手元に余裕資金ができた場合、積極的に繰り上げ返済を行い、元本を減らしておくことも非常に有効な対策です。

特に、金利が上昇し始めた局面での繰り上げ返済は、将来支払うはずだった利息を大幅にカットする効果があります。「金利が低い今のうちに貯蓄し、金利が上がったら繰り上げ返済する」という戦略的な視点を持ちましょう。

対策③ 金利上昇の兆候があれば「固定金利への借り換え」を検討する

変動金利のメリットの一つは、いつでも固定金利に切り替えられる点です(※金融機関による)。世の中の金利が本格的に上がりきる前に、より有利な条件の固定金利商品に借り換えるという「出口戦略」を持っておきましょう。

ただし、誰もが金利上昇に気づいてから行動するため、借り換え競争が激化したり、固定金利がすでに高騰している可能性もあります。常に市場の動向をチェックしておく必要があります。

対策④ 変動金利の中でも「金利引き下げ幅」が大きい銀行を選ぶ

同じ変動金利でも、金融機関によって条件は全く異なります。注目すべきは、表面的な金利だけでなく、基準金利からの「引き下げ幅」です。

「当初期間だけ引き下げ幅が大きい」といった、一見おトクに見えるプランには注意が必要です。全期間にわたって優遇される、引き下げ幅の大きい住宅ローンを選ぶことが、長期的に見てあなたの資産を守ることに繋がります。

結論:自分に最適な住宅ローンは複数社比較でしか見つからない

変動金利があなたにとって「正解」かどうかは、あなたの家計状況やリスク許容度、そして何よりも、複数の金融機関を比較検討した結果でしか判断できません。

ここまで変動金利のリスクを解説してきましたが、もちろん、対策をしっかり立てれば非常に強力な味方になるのも事実です。重要なのは、変動金利、固定金利、それぞれのメリット・デメリットを天秤にかけ、ご自身のライフプランに最も合う選択をすることです。

A銀行の変動金利がベストだと思っていても、B銀行の10年固定の方があなたの計画に合っている、なんてことは日常茶飯事です。1社の営業マンの話だけを信じるのは、あまりにも危険すぎます。

数百万円損しない、後悔しない家づくりのためには、まず複数の選択肢をテーブルに並べ、客観的な視点で比較・検討することが不可欠です。住宅ローンは、どのハウスメーカーで建てるかによっても提携先や優遇金利が大きく変わるため、ローン選びと並行して、複数のハウスメーカーの情報を集めることが賢い家づくりの基本です。

【💡宅建士・FPからの重要な警告】ネットの匿名情報や1社の営業マンの言葉だけで家づくりを進めるのは非常に危険です。後悔しないために、まずは完全に中立な第三者機関を活用し、客観的なセカンドオピニオン(または適正相場)を得ることがプロから見た鉄則です。

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