【FP監修】家が建つ期間は平均10ヶ月〜。計画ミスで100万円損しないための全知識

すけさん

現役大手不動産会社 経営企画職

すけさん

■宅地建物取引士・FP2級
■住まいの窓口/おうちキャンバスへの独自取材・相談経験あり
■スーモカウンター/家づくりのとびらへの相談経験あり

執筆者

「そろそろマイホームが欲しいけど、家って何ヶ月くらいで建つの?」「子供の入学までには間に合わせたい…」そんな風に、家づくりのスケジュールについて漠然とした疑問や不安を抱えていませんか?

実は、その「家が建つ期間」を正しく理解していないと、気づかぬうちに数百万円単位の大きな損をしてしまう可能性があります。営業マンの「今から始めれば十分間に合いますよ」という言葉を鵜呑みにするのは非常に危険です。

この記事では、FP(ファイナンシャルプランナー)の視点から、家が建つまでの全工程と平均期間、そしてスケジュール計画のミスが引き起こす恐ろしい金銭的リスクについて徹底解説します。後悔しないための最適なスタート時期と、たった一つの自己防衛策がわかります。

目次

【結論】家が建つ平均期間は10ヶ月〜14ヶ月!しかし数字だけ見るのは危険

まず結論からお伝えすると、注文住宅を建てようと思い立ってから、実際に新居の鍵を受け取るまでの平均的な期間は、およそ10ヶ月〜14ヶ月です。

「意外と短いな」と感じた方もいるかもしれませんが、この数字だけを見て安心するのは絶対にやめてください。家づくりの期間は、大きく2つのフェーズに分かれており、その内訳を理解することが重要です。

注文住宅の工事期間は「着工から完成まで」で4〜6ヶ月

多くの人が「家を建てる期間」としてイメージするのが、実際に工事が始まってから家が完成するまでの「工事期間」です。この期間は、建物の構造や規模にもよりますが、一般的に4ヶ月〜6ヶ月が目安とされています。

住宅会社のウェブサイトやパンフレットに書かれている「工期」は、この工事期間のみを指していることがほとんどなので注意が必要です。

要注意!本当に時間がかかるのは工事が始まる前の「準備期間」

家づくりで最も時間がかかり、そして最も重要なのが、工事が始まる前の「準備期間」です。この期間は、短くても6ヶ月以上かかるのが普通です。

  • 情報収集・家族での話し合い
  • 建築会社の選定・比較検討
  • 土地探し(土地がない場合)
  • 間取りや仕様の打ち合わせ
  • 住宅ローンの審査

この準備期間をどれだけ丁寧に行うかで、家の満足度も、将来のコストも大きく変わってきます。焦って準備期間を短縮すると、後で必ず後悔することになります。

土地探しから始めるとさらにプラス3〜6ヶ月は覚悟しよう

もし、まだ家を建てる土地が決まっていない場合は、上記の準備期間に加えて、さらに3ヶ月〜6ヶ月、場合によっては1年以上の期間を見ておく必要があります。

人気のエリアでは良い土地がすぐに見つかるとは限りません。土地探しと建築会社の選定を並行して進めるなど、効率的な計画が求められます。

【FPが警鐘】スケジュール遅延が引き起こす、知らないと損する3つの金銭的リスク

「少しスケジュールが遅れるくらい、大したことないでしょ?」もしそう考えているなら、非常に危険です。家づくりのスケジュール遅延は、単なる「待ち時間の増加」ではなく、あなたの家計に直接ダメージを与える「金銭的損失」に繋がります。

検討者さん
え、家が建つのが遅れるだけでお金を損するってこと?

宅建士・FP2級
その通りです。特に計画不足が原因で遅延した場合、想定外の出費が次々と発生します。FPの視点から、代表的な3つのリスクを解説します。

リスク1:現在の家賃と住宅ローンの「二重払い」地獄(月10万円〜)

最もよくあるケースが、現在の賃貸住宅の家賃と、新居の住宅ローンの支払いが重なってしまう「二重払い」です。

例えば、引き渡しが2ヶ月遅れただけで、家賃10万円なら20万円の追加負担が発生します。住宅ローンの返済は引き渡し後から始まるのが一般的ですが、土地を先行して購入した場合などは、土地のローン返済が先に始まることもあり、家計を大きく圧迫します。

リスク2:想定外の「つなぎ融資・仮住まい」費用(30万円〜)

自己資金が少なく、土地の購入代金や着工金を住宅ローン実行前に支払う必要がある場合、「つなぎ融資」を利用します。このつなぎ融資は金利が高く、期間が延びるほど利息負担が増えていきます。

また、家の完成が賃貸の更新時期に間に合わず、短期の仮住まいへ引っ越すことになれば、その引越し費用や家賃で30万円以上の想定外の出費がかかることも珍しくありません。

リスク3:焦りが招く「妥協だらけの家」という最大の資産損失(数百万円〜)

これが最も恐ろしいリスクです。「子供の入学までに間に合わせないと!」という焦りから、本来もっと比較検討すべきだった建築会社を安易に決めたり、間取りや仕様の打ち合わせを十分にせずに契約してしまったり…。

焦りは冷静な判断力を奪い、結果的に「住んでみたら不満だらけ」という妥協の産物を生み出します。これは、将来にわたって数百万円、いや数千万円の価値を損なう「最大の資産損失」と言えるでしょう。

注文住宅が完成するまでの全工程と期間の内訳を徹底解説

では、具体的にどのような工程を経て家は完成するのでしょうか。全体像を把握し、各ステップで何をすべきか理解しておくことが、計画的な家づくりの第一歩です。

STEP1:情報収集・計画(2〜3ヶ月)←最重要フェーズ

家族でどんな家に住みたいか、どんな暮らしがしたいかを話し合います。同時に、インターネットやカタログで様々な会社の情報を集め、家づくりの予算や希望条件を固めていく、家づくりの成否を分ける最も重要な期間です。

STEP2:土地探し・土地契約(3〜6ヶ月)

土地がない場合、希望エリアの土地を探します。不動産会社を回ったり、ネットで探したりします。良い土地はすぐになくなるため、根気が必要です。土地が決まったら売買契約を結びます。

STEP3:建築会社選定・契約(2〜3ヶ月)

複数のハウスメーカーや工務店に相談し、プランと見積もりを比較検討します。会社の担当者との相性も重要なポイントです。信頼できる1社に絞り、建築工事請負契約を結びます。

STEP4:間取り・仕様の打ち合わせ(3〜4ヶ月)

契約した建築会社と、詳細な間取りや内装・外装、キッチンやお風呂などの設備仕様を決めていきます。週に1回程度のペースで、何度も打ち合わせを重ねるのが一般的です。

STEP5:建築確認申請・住宅ローン本審査(1〜2ヶ月)

決定した設計図面が建築基準法に適合しているか、行政の審査を受けます(建築確認申請)。並行して、金融機関に住宅ローンの本審査を申し込み、正式な承認を得ます。

STEP6:着工〜完成(4〜6ヶ月)

いよいよ工事開始です。地鎮祭から始まり、基礎工事、上棟(家の骨組みが完成)、内外装工事と進んでいきます。工事期間中も、現場に足を運んで進捗を確認すると良いでしょう。

STEP7:完成・引き渡し

建物が完成すると、行政や建築会社による完了検査が行われます。施主も立ち会い、図面通りにできているか、傷や汚れがないかなどを最終チェック(施主検査)し、問題がなければ鍵と保証書を受け取り、引き渡し完了です。

「ハウスメーカー」と「工務店」で工期はどれくらい違うのか?

家づくりの依頼先によっても、工期は変わってきます。それぞれの特徴を理解し、自分たちの価値観に合ったパートナーを選びましょう。

工期が短い傾向にある「ハウスメーカー」のメリット・デメリット

全国展開している大手ハウスメーカーは、部材を工場で生産し、現場で組み立てる工法が主流のため、工期が比較的短い傾向にあります。品質が安定しているのもメリットです。

一方で、デザインや間取りの自由度は低めで、仕様がある程度規格化されているため、完全にオリジナルの家を作りたい場合には不向きなこともあります。

自由度が高いが工期が長くなる傾向の「工務店」のメリット・デメリット

地域密着型の工務店は、設計の自由度が高く、施主のこだわりを細かく反映できるのが最大のメリットです。その分、打ち合わせに時間がかかり、工期は長くなる傾向があります。

一から作り上げていくため、会社によって技術力やデザイン力に差が出やすい点も特徴です。信頼できる工務店を見極めることが重要になります。

設計事務所に依頼する場合の期間と特徴

建築家(設計事務所)に設計を依頼する場合、デザイン性が非常に高く、独創的な家づくりが可能です。ただし、設計だけで半年〜1年、その後の工務店選定や工事期間を含めると、トータルで2年以上かかることも珍しくありません。時間とコストに余裕がある方向けの選択肢と言えます。

『子供の入学までに』は要注意!ライフプランから逆算する失敗しない計画の立て方

「子供が小学校に上がるまでには新居に引っ越したい」これは多くのファミリーが抱く願いです。しかし、この目標を達成するためには、ゴールから逆算した緻密な計画が不可欠です。

【実例】4月の小学校入学から逆算シミュレーション

仮に「〇年4月1日」に入学式を迎えるお子さんのために家を建てるとしましょう。余裕を持って3月上旬には引っ越しを終えたいところです。

  • 引っ越し完了(〇年3月上旬)
  • ↑ 引き渡し(〇年2月下旬)
  • ↑ 着工(前年10月頃) ※工事期間4〜6ヶ月
  • ↑ 建築会社と契約(前年7月頃) ※打ち合わせ・申請期間3〜4ヶ月
  • ↑ 情報収集・会社比較 開始(前々年12月〜前年1月頃) ※情報収集・土地探し・会社選定に6ヶ月〜

このように、4月入学に間に合わせるためには、遅くともその1年半近く前から動き出す必要があることがわかります。「まだ時間はある」と油断していると、あっという間に手遅れになってしまいます。

賃貸の契約更新時期も忘れずにチェックしよう

見落としがちなのが、現在の賃貸住宅の契約更新時期です。引き渡しが更新月の直後になってしまうと、たった数日のために2年分の高額な更新料を支払う羽目に…。家づくりのスケジュールを立てる際は、必ず更新時期も考慮に入れましょう。

プロは必ず設ける「バッファ期間」という考え方

家づくりには、天候不順による工事の遅れや、ウッドショックのような予期せぬ資材調達の問題など、不確定要素がつきものです。計画をギチギチに詰め込むのではなく、最低でも1〜2ヶ月程度の「バッファ(予備)期間」を設けておくことが、精神的な余裕と金銭的なリスク回避に繋がります。

家づくりの主導権を握り、数百万円の損失を回避する最強の自己防衛策とは

ここまで見てきたように、家づくりのスケジュール管理を怠ると、様々な金銭的リスクに見舞われます。では、どうすればこれらのリスクを回避し、自分たちのペースで後悔のない家づくりを進められるのでしょうか。

なぜ「最初に出会った1社」に決めるのが危険なのか?

住宅展示場で出会った営業マンの対応が良かったから、という理由だけで1社に絞ってしまうのは最も危険なパターンです。その会社が提示するスケジュールや見積もりが、果たして本当に適正なのか、比較対象がなければ判断のしようがありません。

結果として、気づかぬうちに割高な契約を結ばされたり、無理な工期で品質の低い工事をされたりするリスクを抱え込むことになります。

複数社の比較が「時間」と「お金」のリスクを回避する唯一の方法

スケジュール遅延による金銭的損失を避け、自分たちのライフプランに合った家づくりを実現するための最強の自己防衛策。それは、「複数社の情報を徹底的に比較検討し、主導権を握ること」です。

複数の会社からプランや見積もりを取ることで、各社の強みや弱み、そして自分たちにとっての適正な価格や工期が見えてきます。この客観的な判断軸を持つことこそが、営業マンのペースに巻き込まれず、冷静な判断を下すための唯一の方法なのです。

【結論】損しないための第一歩は「住宅カタログの一括請求」から

「でも、何社も住宅展示場を回るのは大変…」と感じるかもしれません。そこで、まず初めにやるべき最も効率的で賢い一歩が、無料の「住宅カタログ一括請求サービス」を活用することです。

自宅にいながら、あなたの希望エリアや予算に合った複数のハウスメーカーや工務店のカタログを一度に取り寄せることができます。各社のデザイン、性能、家づくりの進め方をじっくり比較することで、偏った情報に惑わされることなく、冷静に自分たちの家づくりの軸を固めることができます。

この無料の行動を怠ることが、将来の数百万円の損失に繋がるリスクそのものです。まずは情報戦で優位に立ち、賢い家づくりのスタートラインに立ちましょう。

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